名探偵ポワロが事件の謎を解くアガサ・クリスティの名作ミステリー。
なかでも「オリエント急行殺人事件」は有名な作品だ。
名作といわれるミステリーは何度も何度も映像化される。
謎の答えはわかっていてもまた見たいと思わせるってどれだけ面白いってことなの?まったく。
ケネス・ブラナー監督のポワロはずんぐりむっくりしてない!?
2017年にリメイクされた「オリエント急行殺人事件」。
監督・主演はイギリス人俳優、ケネス・プラナー。シェイクスピア俳優とも呼ばれる人だ。
彼が演じるポワロは、特徴である髭を携えているけれど、ずいぶんスタイリッシュだった。
ポワロといえば、こだわりが強く、いい意味で変人。
背格好も小柄なずんぐりむっくりというキャラクターイメージが記憶にあったから、
サラッとしてるなぁなんて思える。
さて、この映画、出演者がこれでもかというほど豪華。
寝台特急オリエント号の号者ごとに振り返ってみよう。
コスプレしてないジョニデとボヘミアン・ラプソディのあの女優が
2号室のラチェットはジョニー・デップ。
この人がいなければこの物語は始まらない。ポワロに護衛を頼んだところ断られ、オリエント急行に乗り込んだその夜に刺殺されるからだ。彼を殺した犯人は誰か?
メイクで作り込まれていないジョニデの出演作品を観られることはあまりないので、そういう意味でも貴重だ。
13号室アンドレニ伯爵と12号室伯爵夫人。
アンドレニを演じるのは、バレエ界の革命児と呼ばれたセルゲイ・ポルーニン。
若き伯爵夫人を演じているのは、ルーシー・ボイントン。
そう、今、「ボヘミアン・ラプソディ」でメアリー役を演じた女優としても話題だ。
ハバート夫人の部屋は3号室。演じるのはミシェル・ファイファー。
肝の据わった女性を演じつづけて早何年?
肝の据わったどころの騒ぎじゃないのが、14号室の大富豪、ドラゴミロフ公爵夫人 。
演じるのはイギリスを代表する大女優、ジュディ・デンチ。
16号室のハードマンを演じるのはウィリアム・デフォー。
豪華競演、スター・ウォーズのレイとアナと雪の女王のオラフも!
あの「スター・ウォーズで/フォースの覚醒、最後のジェダイ」でレイを演じたデイジー・リドリーは11号室で家庭教師のメアリーを演じた。
原作ではグレタ、本作ではピラール役のペネロペ・クルスは10号室だ。
ラチェットの秘書、ヘクター・マックイーンは6号室。演じたジョシュ・ギャッドといえば、「アナ雪」のオラフの声の人。
ね、これでもか、これでもか!でしょう。
でもこの作品にはこういったこれでもか感が必要なのだ。
だって皆、怪しい、この人が犯人だと思わせてもらわないとミステリーは進まないから。
オリエント急行は道中、大雪で立ち往生する。
そしてじわりじわりとポワロが謎を解いていくのだが……。
真っ白きうどんを、冷やまたはヒヤアツでつるり
冒頭でも書いた通り、ケネス・ブラナー演じるポワロはなんだかね、スタイリッシュだから、この映画を観ながら食べるなら、サラッとツルッといきたい。ゆでたうどんをシャキッと冷してどうぞ。
冷たいいうどんを冷たい汁でもいいし、汁を熱くしてヒヤアツもいいかも。
いやね、オリエント急行の食堂車でざるうどんは出ないでしょうが、雪山みたいなうどんの小山を制覇する頃には、この殺人事件の謎はきっと解けるはず。
なんともいえない余韻を残して終わる感じもまた、アガサ・クリスティ作品の魅力。
サラリとはしているが、映画もその余韻が楽しめる。
(Kuri)