一部で熱狂的なファンを持つウェス・アンダーソンが脚本・監督を努めた作品。
ピンク色のグラデーションの外観が美しい、山の上のホテル。
ホテルへは空き箱で作ったみたいな可愛らしい登山列車に乗り辿り着く。
ここはお酒みたいな名前のどこかの北の国、ズブロフカ。
今は人気がなく寂しいこのホテルにある作家(ジュード・ロウ)が、
ネタを探してやってきた。
そのホテルで出会った大金持ちなのに使用人部屋に泊まっているという
老人が話すのは、自身がこのホテルでベルボーイだった頃の話。
そこには伝説のコンシェルジュ・グスタヴ(レイフ・ファインズ)がいた。
ベルボーイ見習いのゼロ(トニー・レヴォロリ)はグスタヴと行動を共にする。
コンシェルジュ目当ての上顧客を幾人も抱えていた彼の行動は一見やりすぎ、でも完璧。
ある日、顧客の中の一人マダムD(ティルダ・スウィントン)謎の死を遂げる。
遺産を目当てに親戚中が集まる中にグスタヴもいた。
きっと遺言には自分の名が記されているはず。
こうして遺産相続と殺人、拘留、逃亡など、彼らの身に次々起こる出来事が、
まるで早回しみたいにすすんでいく。
伝説のコンシェルジュとベルボーイという二人の関係は、
徐々に信頼関係を増し、やがて家族のように大切な存在となっていた。
殺人犯を追いかけるヘンケルス大尉に(エドワード・ノートン)、
獄中で出会うルードヴィヒを(ハーヴェイ・カイテル)などなどなどなど、
有名俳優が多数出演しているのも見どころのひとつ。
さて、物語の後半には、メンドルという名のパティスリーの「コーテザン・オ・ショコラ」というスイーツが出てくる。
塔のように重ねた色とりどりのシュークリームみたいなもの。
ザ・ヨーロッパな感じのスイーツで、物語にも大きく関係してくる。
ということで、観ながら食べるのは・・・・・・、
「雪見だいふく」で!
なんでやね~ん!!という大きなツッコミを受けつつ、
「でも、もう、決めたことですから」(笑)
しかも、商品名限定しちゃったし。
グランド・ブダペスト・ホテルがあるお酒みたいな名前のどこかの北の国、
ズブロフカは、
雪山の上にあること、そしてこの映画がファンタジックで、
コメディーで、でもミステリーでもあることから、
なんというか、プニっとした外側の食感ともマッチするような。
俳優陣が豪華な分、食べ物はシンプルに!
そうそう、物語に出てくる「コーテザン・オ・ショコラ」の作り方は、
公式サイトに動画で紹介されている。
それも観たけど、うーーん、やっぱり「雪見だいふく」で行こう。
(Kuri)