その後、たくさんの作品に影響を与えたであろう証拠なのだろう。
黒澤明の「羅生門」にも、そういうシーンがたくさんあった。
もっとも、それ自体がもっと古い作品や、別の何かから影響された上での
ことなのかもしれないけれど。
芥川龍之介の「籔の中」を原作としたこの作品は、
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得した。
黒澤明監督が、世界のクロサワと呼ばれるようになった理由の一つでもある。
この映画を夜中に観た。
まさに「籔の中」だった。
ちなみに、「籔の中」という言葉は、芥川のこの小説から、いくつもの見方が働き、
話を映画に戻そう。
三船敏郎演じる多襄丸、京マチ子演じる真砂、どちらも圧倒的なオーラがある。
物語はこうだ。
山の中で男が死体で発見される。
検非違使では状況証拠から犯人、被害者、関係者として取り調べられることになる二人。
ここに死んだ男(侍)も加わり、それぞれ証言を始めるのだが、三者の証言は食い違っていた。
無骨でガハハと笑い、己の行いを正当化するように語る多襄丸には、
妖艶で、気が強く、己の選んだ道を演じるようにして聞かせる真砂は、
巫女の姿を借り、霊となって語る男・真砂の夫、金沢(森雅之)には、
そうか、こういうことなのか、人間ってヤツは。
映画は、タイトル通り、芥川のもう一つの作品「羅生門」でのそま売り(志村喬)、
ぐるぐるの頭の中が混乱していく感じだから、糖分を補給しよう。
今川焼きがいいだろう。個人的には絶対の粒あん派だけど、中身の好みは人それぞれだ。
白あんとかみそあんなんて場合もあるし、カスタードとか、チーズなんてのもある。
それより何より、
大判焼きともいうし、回転焼きという人もいるわいな。
太鼓焼きと言ったり、取り扱う店の名で呼ぶこともある。
そうか、そういうことか。
今川焼きで糖分を補給出来たら、「籔の中」から抜け出せるかもしれない!?
(kuri)