「マイ・フェア・レディ」と聞いたら、何をイメージするだろうか?
やはり主演のオードリー・ヘプバーン、そしてあの大きなお帽子と白と黒のドレス。
もともとの舞台版に主演した、ジュリー・アンドリュースの歌声。
日本で長くこの舞台に主演した大地真央。
♪運が良けりゃ ♪踊り明かそう ♪君住む街角でなどの名曲の数々。
ヘプバーンの歌声は吹き替えで、マーニ・ニクソンが歌っていること。
まだまだ数え上げたらキリがない。
それくらい有名な、今から50年以上前に作られた名作ミュージカル映画だ。
インターミッションが入る長編でもある。
イギリスの下町で花売り娘をするイライザ(オードリー・ヘプバーン)は、
ある日、言語学者のヒギンズ教授(レックス・ハリソン)の目に留まる。
ヒギンズは、話し言葉を聴くだけで、どの地域の出身かを言い当てられる言語学のプロ。
粗雑で訛りのある言葉を話すイライザを矯正して、一人前のレディにできるか否かを
仲良しのピカリング大佐と賭けをすることになった。
教授のマンツーマン特訓の甲斐もあり、イライザは美しい言葉を話せるようになり、
お披露目の場へと出ていくが……。
だいぶ手前でストーリーを切ってみた。
ミュージカルだから、場面が動くタイミングや気持ちの高まりに合わせて、楽し気な歌、
伸びやかなメロディーが出てくる。
出てくる曲は、いろいろな形で世に出ているので、耳なじみのものも多い。
ミュージカル曲として有名なものはもちろん、CMなどでパロディ的に使われているものも。
ちなみに、♪運が良けりゃ は、1990年代に所ジョージ出演CMで ♪〇〇で元気! と歌われていたりもした。
アスコット競馬場でイライザに一目ぼれしたフレディ(ジェレミー・ブレッド)が、
恋する気持ちをロマンティックに歌う
♪君住む街かど On The Street Where You Liveは、あのプラシド・ドミンゴが歌い上げてもいる。
さて、インターミッションのあたりで用意したいのは、ヴィシソワーズ。
そう、じゃがいもの冷製スープだ。
白く美しいスープに、黒コショウなど仕上げにふって、お上品にいただこう。
クリーミーな味わいの中に、じゃがいもの素朴なうまみが、なんだかイライザに重なるような。
そういえば、映画では例のあのマーメイドラインが美しいドレスを身にまとったイライザが登場する
アスコット競馬場のシーンで、ストップモーションが出てくる。
2016年にアメリカを中心にSNS上で流行した「マネキンチャレンジ」か? という感じで
今、観ると逆にこのシーンが新鮮かも。
さあ、ヴィシソワーズをいただきながら後半のつづきをどうぞ。
足元にはスリッパをお忘れなく!
(Kuri)