ベトナム生まれのトラン・アン・ユン監督の、1993年に公開された作品。
街にベトナム料理店が増え、ベトナム料理好き女子が増えたのも、
この頃なのではないかという気がする。
『青いパパイヤの香り』は、とにかく緑色が美しい。
そして映像がみずみずしい。
奉公人としてある資産家の家に住みこみで働きはじめる少女ムイ。
ムイは、料理の作り方、拭き掃除やおつかいを教え込まれながら懸命に働く。
この家には、夫婦と夫の年老いた母、3人の息子が暮らしている。
奉公人を雇うような家なのだが、家族の関係にはあまり温かいものが通っていない。
その原因とは。
そして月日は流れて成長したムイはやがて・・・・・・。
10歳のムイがとにかくかわいい。
親元を離れて働く彼女の心を癒してくれるのは、庭のアリやカエル、そしてコオロギ。
水を貯めたホーローの洗いおけで手から腕をゆっくり洗うシーンが何度も出てくるが、
その手についた水を、葉にしがみつくカエルにかけてやるムイが無邪気でいい。
みずみずしい少女が、動植物に水を分け合う、そのなんということない行為が
美しいし、少しエロティックだ。
美しい色合いや調度品が並ぶベトナムの家も美しく、そしてそれらをゆっくり映すさまも
また少しエロティックだ。
この映画を観ながら食べるのは、生春巻きをご提案。
ベトナム映画で生春巻きとは、あまりにも単純?
けれど、ライスペーパーから野菜の緑やその他の具材が透けて見えるのは、
少しエロティックでもあるような。
手づかみで食べて、途中につけるスイートチリソースは、チリ多めで少し刺激的に!
(kuri)