プロローグ~柴又駅にやってきた!
京成柴又駅を降りると、もうどこからかあの「男はつらいよ」のテーマソングが聴こえる。
実際に鳴っていただろうか、いや、鳴っていなくてもきっと聴こえる。
映画「男はつらいよ」の第一作を観て、寅さんの街、柴又に行っちゃおう!というとてもベタだけど
とてもまっとうな!? プランで、初の食べシネ散歩に繰り出しました。
駅で見かけたのは、60代後半くらいのご夫婦と息子さん。
ホームに寅さんの看板を見つけて、まずパチリ。
「デジカメなんだから、今日はじゃんじゃん撮るの!」とテンション早くも上がりっぱなし。
30代くらい!?の女子4人組は、柴又散歩と題したお手製のしおりを手に持っていたのだ。
横目で見たら、持ってくるもの「お金、歩き馴れた靴、なんでも楽しむルンルンの乙女心♪」って書いてあったぞ。
お金が一番目に来てる感じとか、ルンルンとかあるところみると、30代ではなく40代か!?
帝釈天~御前様が立っていた廊下
と、前置きが長くなりましたが、駅からお店の並ぶ参道を通ってまず訪れたのは、ご存知、帝釈天。
正式名称は題教寺(だいきょうじ)柴又帝釈天。
お堂の外側、10枚の胴羽目に彫られた彫刻は、法華経説話を題材に、10人の彫刻師によって彫られたもの。
関東大震災で焼失してしまった後、復刻されたそう。
一枚のケヤキの板に彫られた場面は、解説を読みながら見ていくと、とてもわかりやすく、
その細かい仕事と立体感に圧倒されるのなんのって。
渡り廊下を通って、庭のある方へ。
「ここは最初に御前様(笠智衆)が登場したところだね」なんて会話は、寅さん第一作を観たばかりなら
必ずすること間違いなし。
長い廊下の脇、庇の下にはいくつかのベンチが設置してあって、ここでしばし休憩。
ちなみにお茶はフリー。緑茶、ほうじ茶、玄米茶、麦茶のホットとアイスが揃っているあたり(機械だけど)
下町の心づかいって感じよね。
ゆっくりたっぷり観て1時間。堂内と庭園が見学できて400円也。
ちなみに、お堂の細工の箇所箇所にグレーのペンキでぬったような施しがあったので、なにかと尋ねてみると
答えは防腐剤。木製で塗りが施されていないので、素朴で味わい深いのだけれど、
やはり湿気などで痛むのでその対策なのだそう。
ここで食べシネ散歩が楽しくなる極意、その1
普段より、ゆっくり見るべし。そして何気ないことでも質問するべし!
ひるげ~江戸っ子は気がみじけぇんでぃ!
お昼を食べよう!と参道へ。
お食事処はいろいろあって、うなぎや天ぷらを食べさせてくれるお店が多いのも特徴。
この日は、手打ちそば「やぶ忠」へ。
威勢のいいおばちゃんの「いらっしゃいませ~」の声に迎えられ、「さくら定食」1500円也を注文。
手打ちのそばと、田楽、天ぷら、そば寒天と、盛りだくさん。
江戸前の甘すぎないつゆがうまいねこりゃ。
威勢のいい店のおばちゃんが、お客さんに
「のびないうちに、美味しいうちにお蕎麦食べてくださいね~」とべちゃくちゃ喋っているお客さんに
声かけちゃう感じも、やっぱり下町っぽい。
ここで食べシネ散歩が楽しくなる極意、その2
食事は出てきたらすぐに美味しく食べるべし! (これは、食べシネ散歩に限りませんが・・・)
寅さん記念館~まだまだあまちゃんだな!
さて、お次はお待ちかね!?の寅さん記念館へ。
映画ゴコロと寅さんゴコロとマドンナゴコロとジオラマゴコロと、なんだかいろいろを刺激してくれる場所の
はじまりはじまり。
さくら(賠償千恵子)の語りと、紙芝居風の人形セットで説明してくれる寅さんの生い立ちは、順を追って見ていく仕掛け。
平日の昼間はさほど混んでいなかったからいいけど、混んでいる時は、何人かで固まって、一緒に見ると、声が混じらなくていいかも。譲り合いも下町気質でね。
実際に使われていたセットがそのままあって、随所で「男はつらいよ」の場面映像が見られるのもまた楽し。
どの映像も割合たっぷりの時間見せてくれるので、ちょいと腰掛けて見るのがいいかも。
歴代マドンナの紹介など、48作まで続いたその歴史を感じる展示が続くので
何作も見ている人なら、テンションはどんどん上がるはず。
「懐かしいなぁ~」、「これ、女優の○○だろ!」など、ミニ知識を自慢する声があちらこちらから聴こえてくる。
ミニ知識といえば、タッチパネル式の寅さんクイズがあった。
難易度は3段階あって、初級問題は、第一作を見ていたので難なくクリアしたが、
次の段階を選んでみたら、まるでダメ。
これは、寅さんを見ている人には簡単なクイズなのだが、作品数を見ていないとわからないものばかりなのだ。
悔しい。また別の作品を観てからリベンジしたくなる・・・・・・かもしれない。
ここで食べシネ散歩が楽しくなる極意、その3
記念館は童心にかえってボタンというボタンを押して楽しもう!
おやつ~でっかい急須が待ってるさ!
寅さん記念館のお隣の山田洋次記念館ものぞき、喉が渇いたところでふたたびの参道へ。
シメはやはりだんご屋へ。
実際の寅さんの撮影で使われていたことがある「とらや」や草だんごの本格的な味わいに定評のある「吉野家」、
そして寅さんと言えばの「高木屋老舗」など、数箇所あるので、お店選びも楽しんで。
つぶあんのたっぷり乗った草だんごとお茶をいただきながら、
この日の散歩をちょいと振り返ってまったり。
ここで食べシネ散歩が楽しくなる極意、その4
お茶と甘味は散歩の花!
そんなわけで、行動範囲はかなり狭く、結果的に参道も何往復かしちゃったけど、
その狭さもまたいいよね、ってことで、はじめての食べシネ散歩はここで終了。
帰りに駅前の寅さん像に「どうも!」と挨拶をしていくのもお忘れなく。
次はどの映画に縁のある街に行けるかな。
(Kuri)