タイトルを見るだけで、「これは理数系の人の映画なんだな」と思っていた。
となると、「私が楽しめる映画ではないのじゃないかな」と思っていた。
主人公はケンブリッジ大学の天才数学者 アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッジ)。
時代は第二次世界大戦の最中。ドイツ軍が台頭する中、
ナチスの暗号「エニグマ」を解読するために、イギリス各地から英知が集められた。
クロスワードや暗号を喜々として解く人たち。
やがてその中から精鋭が残され、極秘のミッションが与えられる。
なかには男性顔負けの明晰さを持つ女性ジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)もいる。
アランはその精鋭たちの中にあって、ひときわ変わり者だった。
仲間と交わることをせず、司令部の命令にも素直に従わない。
彼は目の前のエニグマ解読という目的だけを遂行しようとしていた。
だから天才数学者なんてやっかいで嫌なんだよ。
でもだからこそ天才なんだよな。
超文系の人ならそんな風に彼を見ることだろう。
が、しかし、この映画は理数系の人のためだけの映画ではないことは、
物語が進むにつれわかっていく。彼の繊細さには理由があった。
映画では、アランの寄宿学校時代の記憶が度々登場し、彼がいかにして彼になったかが、
そして、彼の運命がいかにしてそうなるかの理由が解き明かされていく。
エニグマの暗号解読とともに・・・・・・。
この細かい感情のピースを、まさにパズルのように組み立てながら
追いかけていく映画に合わせて
ビーンズサラダを用意しよう。
ひよこ豆、赤インゲン豆、グリーンピース、大豆、
形や大きさ、色の違う豆にサイコロみたいにカットしたオニオンと
ドレッシングを合わせてシンプルに。
色とりどりの食材を入れてオシャレ・サラダにするのは敢えてナシ。
それがイギリスらしいという理由ですが・・・・・・。
同じ種類の豆だけをひたすら食べたり、種類別にお皿の中で分けちゃったり、
ちょっとお行儀悪い?食べ方でも、それはイミテーション・ゲームを観ながらなら
OKとしよう。
エニグマの謎が解ける頃までには、きっと食べ終わるといい。
そして、彼らが果たしたことが何で、彼の人生はどうで、
それから世界はどこに向かったのか、
しみじみ考えている間に、口の中で黒コショウのピリッとした感じや、
ビネガーのツンとした酸っぱさが広がるはず。
その時、これは理数系の人のための映画じゃなく、
超文系の人のための映画でもあったことが確認できるはず。
(kuri)
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