6才のボクが、大人になるまで。

By tabecine, 2017年7月13日

「6才のボクが、大人になるまで。」
いい邦題です。いくつを大人というかは、人によって価値観が異なりますが、
メイソンJr.(エラー・コルトレーン)が6才から18才になるまでを、
彼と彼の家族や友人と共に描きます。

尻尾がはえてそうなおチビちゃんの頃から、
髭が生えるほど青年になるまでの12年は、実際に撮影にかけた年数でもあります。

ドキュメンタリー映画?いいえ違います。
これはドラマなのです。映画作品なのです。
監督は「恋人までの距離(ディスタンス)」、「ビフォア・サンセット」、
「ビフォア・ミッドナイト」というイーサン・ホークとジュリー・デルピーが
イケメン&キュートだった頃から、ちゃーんとおっさん&おばさんに
なっていく現実も見せてくれちゃった「ビフォアシリーズ」の
リチャード・リンクレイター。
彼の作品と時間というのは、切っても切れない関係なのですね。

さて、この作品の主役メイソンくんの周りにいるのは、
母・オリヴィア(パトリシア・アークエット)と
姉・サマンサ(ローレライ・リンクレイター)。
父はメイソンSr.(イーサン・ホーク)。

父と母は若くして子どもが出来、結婚し、離婚。今は父とは離れて暮らしている。
母は、やがて2人の子持ち男と結婚するが、これがまた難ありで……。

自分たちだけで生きていくことは幼い姉弟には無理なわけで、
母の選択に運命を任せていくしかない。
置かれた環境に馴染んだり、馴染まなかったり、楽しかったり、居づらかったり。
だからメイソンは全編を通じて、少し憂いを帯びた目をしています。
父とは定期的に再会し、案外いい関係を保っている。これもアメリカっぽいな。

さて、長期間をなかなかの長時間で描いているこの作品を観ながら、何食べる?
ラザニアなどいかがでしょう。
パスタとソースを幾重にかさね、なんならポテトなんかも間に入れていきましょう。
重なるパスタはメイソンが歳を重ねていく感じに、適度に
ゴロゴロ入ったポテトなどの具は、
人生の途中にある障害物や、とまどいみたいなもののよう。
でも家族というソースが彼の人生を味のあるものにしているんだよなー
なんて思えるかもしれないですね。

途中で冷めたら、チーズをさらに乗せてもう一度焼いてみたっていいのでは?
タバスコをかけるのも賛成です!

18才、自分の進路と向き合うメイソンは、もうすっかり「カワイイ少年」では
なくなっているけれど、
彼の器用とは言えないだろうこれからの生き方も静かに応援したくなってきます。

この作品の制作は2014年。
ひょっとしたら、同じキャストで続編があったりもする?
そうだとしても、それはまだずっと先の話のような気もするので、
ラザニアのお皿は一度カラにしてくださいね。
(kuri)