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2018年6月30日公開「名前」

サキドリ・シネマ

サキドリ・シネマは、公開前の作品をちょっぴり先取りでお届けする新企画。
食べシネアイコンも是非ご参照くださいね。

人には名前がある。
吾輩にだって、猫にだって、金魚にだって、おおよそ名前がある。
たぶん、一つの。

映画「名前」には、いくつもの名前が出てくる。
覚えきれないほどの数ではないので、ご心配のなきよう。

その40代の男(津田寛治)と女子高生・笑子(駒井蓮)は、出会い、時間を共有する。
二人の距離感はよそよそしかったり、謎だったり、やけに近かったりと
シーンによって異なるが、いずれも心地よい。

反対に、男と彼を囲む人たちとのは距離感は総じて無機質だ。
その理由は物語を追うごとに見えてくる。
女子高生・笑子を囲む人たちとの距離感はひたすらリアルだ。
女子高生を通過したことがある人には、皆、どこか心当たりがあるような学校生活のシーンが、
物語の中盤から盛り込まれ、落ち着く暇はない。

直木賞作家・道尾秀介が書き下ろしたオリジナル原案を元に作られた作品を、
劇作家・演出家として数々の作品を手がける戸田彬弘が監督。
演劇好きにもうれしい、というかニヤニヤしてしまいたくなるシーンがあるのもそのためだ。

二人の名前は何で、その名前はどこにつながっているのか。
ジワジワと展開するストーリーは、ヒューマン・ミステリーとカテゴライズされているが、
観終わったあとの気分は、じんわりと心地よい余韻をくれる。

さて、「名前」というタイトルが気になり、ここ最近、会う人、会う人に名前の由来を聞いている。
聞いていくと、なんともいい気持ちがしてくるので、実はオススメしたい。

ある花の名前の人は、お母さんが「来年もキレイに咲くから」という理由で決めたそうだ。

このブログ「食べ頃シネマ」のイラスト担当yukiさんは、柚の季節に生まれたのが名前の由来。でも当時は人名に柚の字は使えなかったので、由季になったのだそう。

恥ずかしながら、私の名は、与謝野晶子が由来。
ただし、なんのつながりがあるわけでもなく、母がその名の文字を気に入っただけらしいけれど。

ちなみに本作の監督、戸田彬弘さんに伺ったところ、京都にあるあの陰陽師 安倍晴明の晴明神社で3つの候補の中から選ばれ、命名された!とのこと。

ほらね、いろいろあって、なんだかいい気持ちがしてくるでしょう?

主人公の笑子にも、名付けの由来があっただろう。
男の名もまた。

映画を観終わった後には、それぞれの名前の由来をネタに語りたい。
(ライター 栗原晶子)

<公開情報>
「名前」
2018年6月30日 新宿シネマカリテほか全国順次公開

出演/津田寛治、駒井蓮、勧修寺保都、松本穂香、内田理央、池田涼、
木嶋のりこ、金澤美穂、波岡一喜、筒井真理子 ほか
監督/戸田彬弘 原案/道尾秀介 脚本/守口悠介

〈Information〉
サキドリ・シネマでは、紹介した映画をご覧になった方からの、
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